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ガングリ・ユマタ 片足ピンザの話
 
家族のみなさま:

[宮古島のこわ〜い話] に必ずランキングされるのが、「ガングリ・ユマタ 片足ピンザの話」です。
この片足ピンザの話にもいくつかのバージョンがあり、「夜に出歩いてはいけませんよ」 という子ども向け教訓民話風のストーリーを含め、いずれもよくできた内容です。 また、昔話によくある 「それって突き詰めると、どういうことなの?」 という突っ込みどころもたくさんあるのがこの話の魅力。

「片足ピンザって言うけれど、四足の動物のどの足が無くなったら片足なの?」
「一本足のピンザって言ってる話もあるけれど、四足の動物は1本足で立つことができるの?」
「ユマタって宮古島の方言で "四つ角"って聞いたけど、ガングリ (ガングルとも言われています) ってどんな意味?」

宮古島キッズネットは、このような素朴だけど大人たちがすぐには答えられない内容に、いまの子どもたちが納得しやすいストーリー展開で答えていきます。

* ガングリまたはガングルに関しては、この四つ角(ユマタ)の近くに棺おけ(ガン)小屋があったから、との説もあります。 宮古島キッズネットでは、子どもたちのイメージがより広がる 「片足ピンザの歩く時に出す気味悪い足音」 の説を採用しました。
 
ガングリユマタ 片足ピンザの話
 
ガングリユマタ 片足ピンザの話

宮古島にずいぶん昔から伝えられている話で、いまでもそこを通る人たちが 「ここがガングリ・ユマタだよ! 気をつけて通ろうね。」 といっている場所が、平良第一小学校近くの通りの交差点にあります。 

とても交通量が多いのですが、いまでもその場所に近づくと昔の宮古島の下町の空気がただよっています。 ガングリユマタは昔から見通しが悪く、四つ角では左右から何が近づいてきているのかが、まったく見えません。 とくに、夜になると街灯もなかった時代には、突然何かが出てきてもぶつかるまではわからないような場所でした。

そんな時代、宮古島の人に恐れられていたのが片足ピンザでした。
このピンザは、死ぬ前に人にいじめられていたのかも知れません。 後ろの片足が無くなっていました。 そして、死んで妖怪(ようかい)になり、毎日夜になるとこの四つ角でそこを通る島民を脅(おどか)すようになりました。

子牛ほどの大きな体になった妖怪片足ピンザは、人が近づいてくると前足2本を地面に “ガン” と打ちつけ、失われて1本だけになった後足を “グリ〜” と、ひづめで道を削(けず)るような気味悪い音を立て、ひきずりながらゆっくりと四つ角に近づいてきます。

ガングリ・ユマタ 片足ピンザの話
ガングリユマタで出会った人が驚いて逃げようとすると、片足ピンザは 脳みそを直接ゆさぶるようなすごい叫び声をあげ、1本しかない後ろ足を使って信じられないくらい高くジャンプして襲いかかります。
ガングリ・ユマタ 片足ピンザの話
「アァ〜、危な〜い!」

必死に逃げようとします。 片足ピンザに頭を通り越されてしまうと、その人の魂が抜かれて狂ってしまうか、死んでしまうと子どもの頃から聞かされていました。 

「アゥ・ワ・ワ・ワ・ワ・・・、こわいよ〜」
「タ・タ・タ、たすけて〜」 

と叫びますが、片足ピンザのものすごいジャンプ力から逃れることはできません。 片足ピンザはその人の頭の上を軽々と飛び越え、通りの向こうに着地。

人が気絶して倒れているのを見ると、満足して暗闇に消えていきます。
ガングリ・ユマタ 片足ピンザの話

宮古島市平良下里732-7
宮古島市平良下里732-7
 
おまけ 1:
ところで、「四足の動物は1本足で立つことができるの?」 には答えていませんでしたね。 ヒトの足の裏には体を支えるポイントが動物の足3本にあたる3ヶ所あるので、片足で楽々と立つことができます。 
ところが動物の足にある体を支えるポイントは、1本につき1ヶ所しかありません。 そのためもし4本足のピンザが1本足になってしまうと、体を支えるポイントがひとつしかないので1本の竹馬で歩くのとおなじくらい難しくなり、立ち上がるのも大変です。
でも宮古島の妖怪片足ピンザはすごいパワーを持っていて、かりに後ろ足1本でも人の頭の上をピョ〜ンと飛び越えていけるかもしれません。

おまけ 2:
実はヤギの上アゴ には歯がありませんが、妖怪片足ピンザのイラストには牙(キバ)のような前歯が描かれています。 片足ピンザは妖怪になったとき怖い顔になって、キバが出てきたのかもしれません。 もし誰か片足ピンザに出会ったら、上アゴにキバがあるかどうかを確かめて教えて下さい。

みんなも妖怪片足ピンザには気をつけようね。 そして、島のピンザを可愛がってあげよう。

ピンザについて、もっと知りたい人はこちらも見てください。

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